ひきだしから、男子!


 山永が必死の形相で

 彼を揺さぶる。牡丹

 はサッと青ざめた。

 体温がどんどん下が

 っていくような気が

 した。

 かけよりたい衝動を

 抑え、どうしていい

 かわからずにBを見

 あげる。彼は無表情

 に、本体を眺めてい

 る。

 「揺らさないほうが

 いいよ」

 どよめき始めた生徒

 達を、一筋の冷静な

 声が貫いた。

 野暮ったいのっぽが

 きびきびと歩いてき

 て、

 畑山の脈を取る。

 岸本だ。

 「生きてるよ」

 「あたり前

 でしょう!」

 のんびり言った彼

 に、山永が怒鳴る。

 「保健室に運ぼう。

 山永さん

 左肩持って」

 二人で畑山の体を支

 えて、教室を出てい

 く。

 休み時間の終わりを

 知らせるチャイムが

 響いた。