「千春?」


「ん?怖くなっちゃった?」


クスクスと楽しそうに笑う千春の目はやっぱり笑っていない。


私の目の前にいる人は誰よ。

私、こんな人知らない。


「里香がね、他の男と話す度にすっごい嫌だって思ってた。里香を他の誰にも見せたくない。里香を.....」


千春は私の耳元で最後にこう囁いた。


「誰にも見られないように僕の腕の中に閉じ込めたい。」


「っ!!」


ゾクッ


体に何か電流が走るみたいに。

しびれる。


な、何この感じ。


ドクンッドクンッ


心臓がうるさい。