自転車をこいでるとだんだん制服を着た人が多くなってきた。
学校の近くに自転車を止めて人ごみに紛れながら歩いてゆく。
これから三年間通う、星良高等学校。
よろしくお願いしますっ!
「おぃ!日向遅い!」
どこからか聞いたことのある声が耳に届いた。
声がした門を見ると里奈だった。
里奈は、わたしの小学からの友達。
思ったことをズバッというタイプ。
肩くらいある髪をフワッと巻いている。
「へへっ。ごめんごめん。
遅れるつもりはなかったんだけど。」
「思いっきり遅刻してるんですけど!」
「…はぃ。」
門の前だと人がたくさん通るじゃん!
めっちゃ見られてるんですけど!