嗤う鏡

 

 ぴしっ、と鏡にひびが入った。
 あ、と信治が古神屋の男の言葉を思い出して声を上げる。

 後悔しても、遅かった。

 鏡に映る信治の顔が血に染まる。


「ひひっ」


と鏡の信治が笑って―――


ぶつ、


と、何かが破られる音がした。

 それと同時に信治自身の顔に痛みが走った。


「ッ!」


 皮膚を破って何かが入ってくる感触。


ぐちゅ、


 肉が抉られる音。それは鏡に映る信治の亀裂と同じ場所で―――




「ああ゙あああ゙あ゙あああ゙あ゙あ゙あああ―――っ!!」




 喉から絶叫が迸(ほとばし)った。
 顔の肉が抉られ、激痛に体が麻痺する。