「……お父さん」
理事長さんに言われた言葉を呟いてみる。
なんだか、懐かしい。
久しぶりに口にした気がする…。
「うん。
なんだい?」
「…私は…これから、どうなるんですか。」
「お父さん」と呟いて、初めて自分の置かれている立場が理解できたような気がした。
そして、自分がどうなるのかが知りたくなった…。
「…彩優花は僕が守るよ。
3人が守ることができなかった分も…ね。」
理事長さんに言われた言葉が、何か引っかかったけど、聞いてはいけないような気がして聞けなかった。
「そうだ。
これを渡しておくよ。」
薄桃色のカードと薄い水色のカード、薄い黄色のカードを渡された。
カードの表側には数字が書いてある。
裏側にはバーコードのようなものが付いている。
「薄桃色のカードが女子寮の鍵。
薄い水色のカードが男子寮の鍵。
薄い黄色のカードは特別室の鍵だよ。」
指を指しながら、丁寧にカードの説明を理事長さんがしていく。
どうやら、このカードはすべて鍵になっているようだ。

