「いつからそこにいたの!?」



「鈴がなんか、自分の名前を呟いてるところから」





最初からじゃん!!!



「声かけてよ、もぉ!!あたしずっと真月のこと待ってたんだから」





「あぁ、わりぃ、わりぃ。でも別に帰っててもよかったのに」






はぁ!!!??





せっかくあたしが待っててあげたのに!!





「待っててあげたのに!!





帰り道一人じゃ可哀想だなぁって思ったからさ、


なのに人の親切を無下にして!」






「ごめん…。てか、何でそんなに上から目線なんだよ」







はい、無視。





聞こえなーい。








あ、そうだよ。紹介!!





この、可愛い幼馴染みの親切を無下にする不届き者は



我宮真月。





………うぅん…




他人の好きな食べ物とかいちいち説明するの面倒くさいからね、


ご想像にお任せします、ってことで。







あと、なんかあったかな?

無いな!







紹介修了。




……ふむ。

「ねぇ、もういいんじゃないの?<予告編>終わっても」




「え、何?<予告編>始まってたの!?」





「そうだよ〜。今日撮るって言ってたじゃん」



「聞いてねぇよ」





「あり??……ごめんネ☆」






「ったく…。で?どこまで終わった?」



「あたしと真月の紹介。なんか、家のこととかは前の章で紹介したみたい………………あ―――!!」






「何!!???」







「肉まんー!」





目の前にはコンビニが建っていた。





そして、入口には肉まんとピザまんの美味しそうな看板。







忘れるところだった。





あたしは、卒業式の最中から肉まんかピザまんが食べたくて仕方がなかったのだ。







無言で真月を見つめる。