昔、昔。たぶん昔。




人気のない森の奥に、不思議な力を持った人々が住んでいた。




ある者は人の心を読み、ある者は治癒力に長けていて、ある者は空気を操りモノを浮かせ、またある者は水を操ることができた。





その力は千差万別だった。





どうして彼らがそんな力を持っているのかは、彼ら自身も知らない。






彼らの仲間は、一人、二人と次々に地方に散らばっていった。


村の暮らしに憧れたのだ。





森を出て行った仲間の行方は知らない。





お互いの幸せを願った。









そして、時は現代―。