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ほんといいお天気。

しばらく雨が続いていたから
久しぶりの太陽は気持ちがいいものよね。


なんだか
吹きつける風も心地いいし。

だから、
仕事を放り投げて
逃亡する社長の気持ちも解る。


でも、毎回毎回苦労するのは
スタッフなのよね。


携帯にかけてももちろんとらないし。

いい大人なんだから、
ちゃんと仕事のけじめは付けて欲しいもんだわっ


だんだんイライラしてきて
思わず、
シートベルトを胸のあたりでギュッとつかむ。


「す…すいません。深雪さん…」


「---。いいのよ。
 はぁ。
 
 どうせ、今日は天気もいいし逃げるつもりだったのよ
 あの人は。」

ため息交じりに
外を眺めた。

斉藤君は申し訳なさそうに
ハンドルを握りしめながら
車を走らせる。