「---おれ、嘘はついてないぞ。」
タオルを手に
上着と顔を洗ったナギサが涼しい顔で
会話を遮る。
「ど…どこがよ!
深雪さんは 全然 大丈夫だし、
急いでこい。っていうからーー」
「・・・
…だから、
深雪が大変な事をするから
急いで来いって言っただろ?」
悪びれもなく
ナギサは
言葉を返す。
コーラをかければ、
ベタベタするし楽に確保できるかと思ったけど、
今日はナギサの方が一枚上手だったってわけね。
「…ミユキ。
じゃ、これで。」
「ちょっ。
待ちなさいよ。
今から会議ーーーっ。
全店舗からあつまる大きな会議なのよ。
上半期の報告と次の方針のーーー」
「…うるさい。
大体ーーー」
「ダメだよ。ナギサ!
ちゃんとお仕事しなくちゃ。」
朝子ちゃんの神の一声がとんだ。
なんていい子なの朝子ちゃん!
そうなの。
もっと言って。

