敏腕美人秘書のみゆきさん ■


「しゃ…社長!」
逃げられては大変。とばかりに斉藤君が後を追う。



朝子ちゃんは
どういう事なんだろうと
ビックリしたようにもう一度私を見た。

「あのぉ。深雪さんはーーー?」

おそるおそる
覗き込むように
私を見つめる朝子ちゃんに、
八つ当たりはできないわよね・・・



「えぇ。無事よ。
 何ともなってないわ。」

やれやれ。

ふーっとため息とともに、
にこりと微笑む。

ココにもナギサの犠牲者が。

「ということは…
 私ーー騙され・・・?」

「ま。そういうことになるわね。

 もうっ。
 ここまで読まれてたのねっ。」


悔しい。

こうなることがわかってて
ナギサは朝子ちゃんを呼びつけたんだわ。

普段ぼーーっとしているくせに、
こういう事は
しっかりカンが鋭いっていうか…


「…なんか、すいません。」

朝子ちゃんは申し訳なさそうに目を伏せた。

「な。何言ってるのっ。
 朝子ちゃんのせいじゃないでしょ?

 私の行動パターンが読まれていただけよ。」

ホント、朝子ちゃんっていい子。

素直で、優しくて、ほんわかしてて。

ま。

だから、あのナギサと合うんだろうけど…