展望スペースから二人で双眼鏡で覗く姿は結構シュールだと思う。

自分で思わず
笑っちゃう。

「…なんですか?深雪さん??」

斉藤君がちょっと不思議そうに顔を傾げた。

「ふふ。
 なんか、変な二人だろうなぁと思って。
 
 …気にしないで、社長をさがそっ」

世間話をしている場合ではなかった。


早くさがさなきゃーーー







「深雪さん!いました。
 あそこーー」

斉藤君が指差した
ベンチに
キラリと金髪の人影ーーー

うん。
間違い無い。ナギサだ。




「よしっ。斉藤君!行くわよ。

 あっ。
 販売機でコーラも買ってきて。」

「え?」



逃がさないわよ!


あわてて駆け下りて、
見かけた
キリンの前の休憩スペースめがけて
走り出す。