「彩穂?」





彩穂は風磨の背中に抱き着いたまま離れなくて、風磨が口を開いた。

夕焼けを背負った2人の影は、地面にくっきりと映し出された。





「彩穂さーん、いつまでくっついてるんですか」





それでも彩穂は離れず、まだ風磨に抱き着いていた。

風磨が離れようと動くと、お腹に巻き付いた彩穂の手の平に力が入って、

制服にくしゃっと皺が入った。