彩穂を乗せたバイクは、赤信号のため一時停止した。

街行く人たちが、冬独特の香りに身を包んでいる姿。

可愛い店が、キラキラとしらイルミネーションを纏う姿。

どれも輝いて見えるのは、自分が今輝ける状態にいるからだと、彩穂は実感した。





「大好きー!」





動き出したバイク、大好きな人の後ろで。

そう叫んでみた、願いが叶った冬だった。