変わってしまったものもあるけど、やはり変わっていないものもあるのだ。

ぶつかり合って、気になりあった過去も、全て宝物になった。

きっとこれからも。

彩穂は風磨の耳元で呟く。





「ありがとう」





あの頃よりきっと、いい関係でいられる。

彩穂が見上げた空から、仲間と風磨の笑顔が降ってきた気がした。





「何だよ急に?」





呆れながら笑った風磨の表情が、彩穂にはわかった。

背中しか見えていないはずなのに全てわかってしまうのも、好きだから。