彩穂を乗せたバイクは、大きな音と共に出発した。 後ろを振り返ると、麻紀と美優が手を振っていた。 一気に加速するバイクに多少怯えながら、風磨の服の裾を掴んだ。 「あー!!」 「ど、どしたの風磨、いきなり?!」 大声を出した風磨を心配した彩穂に、風磨はにやりと笑う。 「俺忘れ物したー!!」 これ、確か。 このセリフ、確か。 「なーんてな」 やっぱり、あの時の。