そのやりとりに、風磨も笑顔を見せる。





「彩穂、早く乗れよ」





風磨がそう言いながら、バイクを叩いた。

彩穂は歯を見せて笑い、ぎこちなくバイクにまたがった。

少し雑だけど温かい、風磨の動作。

ヘルメットを彩穂に投げた。





「早く!」





彩穂が足をばたつかせて言った言葉は、風磨もバイクへとまたがせた。