「大丈夫だよ」「彩穂がいなくて、点数越せなくて…こちらこそごめん」 「いやいや、同点になったんだから十分だよ」 本当は少し悔しいと叫ぶ心をそっと覆って、怪我をしてしまったことをまた少し憎んだ。 部員はまだ緊張していた。 何故なら――。 「同点につき、インターバル後試合を延長とします!」 その審判の声が聞こえてきたからだった。