それは、目の前の彼女の涙が答えであった。 「玲奈、ごめん」 風磨はベンチから立ち上がると、真っ先に走り出した。 どうしてもっと素直にならなかったのだろう。 いや、なれなかったのだろう。 いろいろな人を傷つけてしまった。 親友も、今『元』になった恋人も、 あの幼馴染も――。 何かを伝えなくては始まらない。 何かを変えなくてはいけないんだ。 風磨は息をきらして走り続けた。