風磨が急いで顔を上げると、そこには玲奈が唇を噛んで無理に笑っている姿があった。 「応援、行くんでしょ?」 玲奈の目から零れた雫が、風磨の靴を濡らした。 その時、風磨の奥底から何かがこみ上げた。 自分はずっと、何にためらいを感じていたんだろう。 そう考えたとき、思い当たったのはたった一つだった。