「…風磨くんが本当に好きなのは…彩穂先輩でしょ……?」 風磨の中で、何かが弾けた気がした。 玲奈の言葉と同時に、頭の中で自分の名前を呼ぶ声がする。 ――『風磨』 違う、どうしてだ。 ずっとずっと、目の前の彼女だけを見ていると誓ったのに。 「なんで?」 玲奈の声が、涙で震える。 それでも風磨は、もう玲奈の肩を支えることができなくなっていた。