「…風磨、来るといいな」 麻紀は、少し俯き気味に頷いた。 雷も、そう思っているのだろうか。 複雑な想いが更に混ざり合う。 「ダメだよ、暗くなっちゃ!まずは私たちが、彩穂を精一杯応援しなきゃなんだよっ!」 そう言った美優が、またコートに視線を向ける。 美優の言葉に顔を上げた麻紀が、雷と顔を見合わせて微笑む。 ――彩穂、頑張れ。