玲奈が来ない。 早く来て欲しい。 そうしないと、思考が止まらない。 「玲奈…っ――」 玲奈が居ないことはわかっていた。 それでもそう呟かないと、自分の思考が止まりそうになかったから。 しかし。 「風磨くん」 あの声で返ってきた返事に驚き、風磨は後ろを振り返る。