「ねぇ、聞いてる?」 図書室で勉強をしている風磨に、声がかかった。 風磨が肩を揺らして声をかけた人物に焦点を合わせると、そこには勉強のときだけかけるメガネを着用した、小柄な玲奈が座っていた。 「あ…ごめん…何?」 「何か…最近風磨くんボーッとしてる…大丈夫?」 風磨は玲奈に問いかけられ、背筋を伸ばして笑顔を見せる。