彩穂は顔を上げて、雷の顔を伺いながら首を傾げる。 「それ…赤い色のパワーストーンは、好きな奴にあげたらいいんだって」 雷の言った言葉を聞いた彩穂が、首の後ろを掻いた。 照れるという気持ちと、応えられなくて申し訳ない気持ちが交差する。 「ま、俺が勝手に決めたんだけど」 雷は冗談っぽく笑うと、いきなり席を立ち上がった。 そして時計を確認し、彩穂に微笑む。 「今日は付き合ってくれてありがと。もう遅いから、帰ろっか」