教室に着いた彩穂は、勢いよく麻紀の席まで走った。

麻紀は朝から勉強していた。

もちろん、彩穂が勉強している理由とは違うが。





「麻紀!大変だっ!!」





麻紀は微笑んだ。

そして、首を傾けると囁くように言った。

その麻紀の微笑みは、彩穂が安心するものだった。

同い年なのに、何故か年上に感じてしまう麻紀は、優しさで溢れていた。





「桜木先輩?」





彩穂はぶんぶんと首を上下に振った。





「一段とかっこよくなってたんだよ!」