あの頃より きっと。






「は…はい…」





彩穂が発した言葉は、意味もなく震えていた。

それは、決して寒いわけではなかった。

目の前にあるホットミルクは温かいし、店内もすきま風がほんの少し入るくらいだ。

それなのに、なぜだろうか。





「フツーにしてよ。俺に、気遣わなくていいから」





雷は微笑みながらそう言うと、ホットコーヒーを一口飲んだ。