しかし、さっきからずっと思っていることはただ一つだった。 『まだ伝えてはいけない』 その言葉を唱えるように繰り返すと、胸の奥にしまいこんだ。 目を閉じてから隣を見据えると、彩穂が思いつめた表情で、バッグの中を覗いていた。