カバンに入ってる財布には、二千円が入ってたけど。 使う気にはならなかった。 街の明かりがあたしにはどうしても好きになれなくて。 怖いと思いながらも、裏通りを進んでいった。 裏通りには、 キャバクラとかラブホとか目に余るくらいあって、 へらへらした親父とか、メイクでテカった女とかがウジャウジャいた。 そこに、見覚えのある人がいて、あたしはとっさに自販機の影に隠れた。