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泣き付かれて眠ってしまった楼は私を抱き締めたままだ。
涙の跡が痛々しい。

全てのことを語る前に楼が私に好きだと言い続けられていたから、好意があるのは知っていた。熱線をいつも送ってきたから、それを目線にいれないように、綺麗にあしらって。

同じ階級であれば縁談は上がってもきっと好きになっていない。
この立場だから、密に関わることができて私も楼に恋をしている。


結ばれるはずのない関係。
それでも、好いていたし、恋されていた。
夢物語にしてはあまりにも長すぎる私達の関係はもうタイムリミットであろう。




なのに、彼は、やってきた。