女王様は実は同じ年だったりする。
ある日を境に今のような高慢な女王独特の姿になったが、昔は何も話そうとしない、非常に口下手な女の子だった。

読書好きな少女に仕える俺は気に食わなかったがなにより父が怖かった。

だからずっと付いて回った。
いつも不思議そうに俺を見ているだけだったが、どこか居心地が良かった。

ラインを越えたのは突然だった。
彼女が図鑑を読んでいた時、その見ていたピンクのガーベラを摘んで彼女に差し出した。

普段、無表情だった彼女の顔に赤みが落ちてきて、嬉しそうに____笑顔を向けられた。

ありがとう。大好き。たったそれだけの言葉に胸がどくどくと音を立てる。



ころっと。それは簡単に、彼女に落ちてしまった。