「何か」

いつもの、無表情にチェンジした。
私は大きく両手で振った。

「そうじゃなくて」

ええい、この際はっきり言ってしまえ。


「そんなこと、言ってもらえるなんて、思ってなかったんです」

あれ、なんだこれ、恥ずかしいぞ。
バクバクバクバク。
そのリズムにあわせて体温が、上がる。

「嬉しかったけど、意外で、思わずボーッとしちゃったんです!」

………言ってから気付いたが、まるで告白のようだ。

あの人は、品定めするように私を見ている。
時々珍獣でも見てるかのような不思議な視線はやめてほしいとも思う。
これにじっ、と耐えていれば、周りのマーケットの賑やかさが自分の中に戻ってきていた。

ほどなくして、あの人は、_____笑った。


「素直ですね。」

あぁ、この人はこんな柔らかい笑みができるのか。

胸が熱い。

「____知りたいですか?これの理由」


私はひとつだけ頭を下ろした。