「美優ちゃん…」



顔、真っ赤。こんな初な男稀よね。



いやいるのか、私が今まで関わったことないから珍しいのよね。と、自己分析してみる。


海に行こう、ならば水着だ、水着と試着をして出てきたところだ。


勿論ビキニ。

端にラインストーンが施された白いビキニ。

パンツも紐で、上も紐。若さは永遠じゃないんだから今似合うものを買いたい。



しかし彼には刺激が強かったらしい。


「ちょ、鼻血出てるよ、エロ親父」


「え……!?」


たらーーーり。咄嗟に鼻を押さえてみるもその指の隙間から赤い液体がでてくる。

「んもぅ、このスケベ変態エロ親父。なに想像してんの」


呆れたように言えば、俯いたまま彼は困ったように笑う。


どうしようもないと自覚しているからか、何も言えないでごもごもと口のなかを泡立てている。



ほんと、なんでこんな間抜けな人を愛しく思うのか。

しょうがないなぁ、なんて言って思わず笑ってしまうなんて。


目の前であわてふためく男にティッシュを渡せば、過去の映像がかたかた言いながら揺り起こされる。