教室に戻った私は皆の机の上に配布物を置き始めた。
起き終えて、自分の席へ着きうつ伏せになって考え事をしていた。
急に涙が出てきた。
あぁ、辛かったんだ。
そう思いながら三つ編みをほどいた。
その時

「野薔薇ー!」
三浦先生が突然私のクラスへやってきた。
急いで涙を拭いた。
「泣いてたの?」
「泣いてないですよ。眠かったのでちょっと寝ようと思ったんです。」
苦しい言い訳だな。
「そっか、あれ?三つ編みほどいちゃったの?」
「あ、はい」
「可愛かったのに、もったいない」
「じゃあ、またしておきます」
「うん! あ、コレ…」
そう言って三浦先生はスーツのポケットネックレスを出した。
「あれ? 私、落としてしまったんですね」
「やっぱり野薔薇のだったか!」
「え??」
「3年の階段の所に落ちてて、さっき通った時はなかったのに、野薔薇が行った後に落ちてるの拾って… そうかなぁ?と思って持ってきた!」
「そうでしたか… 申し訳ありません。大切な物なので拾ってくださって助かりました。」
「大丈夫だょ。ってか、田島なら気にすんな」
「なにがでしょう?」
「んー? 気にしてるかな?って思っただけ! じゃあ、俺朝練行ってくるわ!」
「行ってらっしゃいです」

ネックレス…
これのおかけでまた2人きりになれるかな?
お礼言うだけだし。
うん、そうそう。

私はさっき泣いていた席に戻り、鏡を出してまた三つ編みを結った。