俺は友章が花梨の部屋から出てくるのをひたすら待った。



一睡もしなかったが眠くはなかった。



そして部屋のドアの開く音がした。



友章は花梨を無理矢理車に乗せ走りだした。



俺は友章に気付かれないように後を追った。



花梨の顔をちらっとみたが、相当疲れているようだ。


花梨を休めてあげたい。



この手で花梨を抱き締めてやりたい。



そんな事ばかり考えられないながら、



俺は赤いスポーツカーを追った。



見失う訳には行かない。



花梨を助けてやりたい。



自惚れかも知れないが花梨が俺を待ってるような気がした。



そして車は海についた。



花梨と友章は車から下りて浜辺を歩いている。