昨日は本当に驚いた。



気分が悪い花梨を背負ってマンションまで来たら、



あいつがいた。



そう赤いスポーツカーに乗る、花梨の彼氏西澤友章。



俺は何回かあいつを見ている。



花梨が丸屋の本店でバイトをしてた時、



いつも迎えに来ていた。



花梨はいつも嬉しそうに彼の車に乗って行った。



そんな花梨の姿に胸がズキンと痛む。



たけど昨日の花梨は友章の姿に何故か?



怯えていたように思えた。


俺の背中から、友章が花梨を無理矢理下ろした時、



花梨は一瞬俺の背中にしがみついた。



俺は花梨を離したくはなかった。



たけど俺は花梨の何でもない、ただの同僚だから何も言えなかった。