陽人がもう少しでマンション着くからな。と言った。



私は陽人の背中から顔を上げてマンションを見た。



私の部屋の前に赤いスポーツカーが止まっている。



見覚えがある車。



そう私の彼、西澤友章の車だ。



私は「友章 。」と声が出てしまった。



陽人の足が止まる。



「彼氏か? 」



「そうみたい。」



私は他人事のように言った。



「大丈夫か?花梨 。」



大丈夫なのか?そうでないのか?分からない。



何故?友章がいるの?私のマンションは知らないはず。



陽人におんぶされたまま動けないでいた。



友章が私に気付き車から降りて私に近づいて来た。



目の前に友章が来た。



友章は陽人を見て、「おまえ誰?」



私は慌てて、「陽人は会社の同僚。」



酔いが一変さめてしまった。



「俺こいつの彼氏なんだけど、」



友章が、陽人の背中から私を無理矢理下ろそうとする。