中山さんはそれ以上昨日の事は言って来なかった。



とても落ち着いた感じの人で、陽人と同じ24才とは思えなくて、陽人がかなり子供に思えてしまう。


中山さんと二人で笑いながら会計室にいると、陽人と中林君が来た。


「花梨ちゃんが遅いから心配で見に来たんだよ。一緒にいるの誰。」



中林君が中山さんを見る。


えっと、どう説明したらいいのかな。


「ちょっとしたゴタゴタがあって、彼に助けてもらったんです。」


陽人が私を見た。


「困ったら何で俺たちに言わないの。」



なんか怒ってるみたいたけど、連絡のしようがないし、突然起こった状況だからどうすることも出来なかったのだ。



私が返事に困っていると。


「僕の責任だから、手伝わせてもらったんです。」


まったく状況が分からない二人。



陽人が中山さんを睨んでるし。



「彼に手伝ってもらえて良かったね。花梨ちゃん帰ろう。」


中林君に救われた。


これ以上中山さんに悪い印象を与えたくなくて、陽人の腕をつかみ強引に会計室から連れ出した。



後で文句は聞くから、このまま帰ろうよ。