私はこの先どうしたら良いのか、頭を悩ませていた。



昨日の事はなかったことにしてほしい。



課長が言ったことばを思いだし、三枝木主任の怒った顔が浮かんだ。



この危うい状態をどう乗り越えれば良いのか。


開き直るしかないよね。


キスがなんだって言うのよ。


お酒の席なんだから、少しは多目にみてくれても良いのではないか。


「キスがなんだって言うのよ。外国じゃあいさつみたいなものでしょ。」


食堂にいたみんなが一斉に私を見る。



陽人がバカって、睨んだ。



ここがみんながいる食堂である事を、すっかり忘れていた。


「花梨ちゃん、又やっちゃったね。」



私だって、小野さんみたいな大人でいたいよ。



たけど、小野さんみたいにはなれそうもない。


自分が今置かれている立場に、ようやく気づいた。


しばらくは大人しくしていようかな。