いい加減に諦めろと言うけど、昨日の事はみんなが覚えてる訳で、私が陽人に迫った事になってるはずだから。



恥ずかしすぎて、本当に行きたくない。


陽人は私を強引に連れて行こうとする。



「昨日の事は早く忘れろ。気にしなくていい。」



そんな簡単問題ではないはず。


陽人にキスした現実から逃げ出したい。


みんなの記憶の中から、私を消してほしいです。



みんなに何を言われるか分からないし、先輩社員もいたし、確か店長もいたよね。



「会社辞めたい。」



私の腕を陽人が離した。



「過ぎた事は仕方ない。あれは酒の席と割りきれ。みんなもおまえが思うほど気にしちゃいねぇよ。だから心配するなって。」



本当にそうだろうか。



不安だけど、陽人のことばを素直に受け取ろう。



これ以上陽人に迷惑をかけられないもの。


陽人ごめんなさい。


ありがとう、陽人。