私は恐る恐る陽人に聞いた。



「もしかして、陽人にキスしたとか。」



陽人は機嫌が悪いのか返事をしない。



「ごめん陽人、人前で飲んじゃいけなかったのに、陽人に嫌な思いさせたよね。本当にごめんね。」



「別に俺はいいけど酒は飲むな。絶対人前で飲むなよ。花梨が他のやつにキスするとこなんか、みたくねぇ。」



本当に私はバカだ。



陽人が私を好きな気持ち知ってるのに、悪い事してしまった。



「私がキスした事忘れてくれるかな。陽人だって嫌でしょ。本当にごめんなさい。」



陽人は答えてくれない。


「俺は忘れるつもりはない。酒の勢いじゃなくて、花梨とキスしたい。」



その陽人のことばにドキッとした。



今の私の顔は真っ赤なはず。


でも、陽人の言葉に何も言えなかった。



本当は嬉しかったけど、私には彼氏がいる。


こんな曖昧な状態で、陽人の気持ちに答える事は出来ない。



多分陽人に引かれる自分がいる。


この気持ちが何なのか気づいてしまった。