玄関が開くとお手伝いさんらしき人が出て来た。



「陽人様お帰りなさいませ。皆様がお待ちかねですよ。」



皆様って誰?



陽人が丸屋の息子だって知っていて、



デパートと二つとホテル経済もしてるのも知ってる。


たけど陽人がそこの御曹子で有ること忘れていた私。


陽人に握られた手は冷や汗でびっしょり。



体にも嫌な汗。



出来るものなら今すぐ逃げ出したい。



陽人とずっと一緒なんて現実的には無理で、



私は震えながら陽人に、「私帰りたい。」



陽人が、「何震えているの?さっきから何も心配しなくていいって言ってるだろう。



俺を信じてついて来て。」


陽人。現実を見る事が怖い。



陽人の腕にしがみついていた。