「am/is/are なんて最初じゃん!全く…授業聞いてなかったの?」

「当たり前!んな下手な授業より晴香に教えてもらった方が面白いし。」

「はぁー…あたし、別に勉強できるわけじゃないのに…」


冬馬のことだ。どうせ先生の話も聞かずに寝ていたんだろう。
でも、よく許したよね…

冬馬もやっぱり顔がいいから、きっとモテて先生にも気に入られてるんだろうけど。


あたしの言葉を無視して、冬馬は「早くしろよ」って目であたしを見る。
教えてあげてるのあたしなんですけど!?

「…― am/is/are は、be動詞。」

「ん。…じゃ、これは?」

「えーっと、「私はタロウです」を英語にするの?」

「そ。」

「「私は」はわかる?」

「…I am ?」

「そう。じゃ、「タロウです」は?」

「Taro…I am Taro. で良いの?」

「そう!んじゃ…終わり!」

「ありがとな!」


ノートを閉じた冬馬は、そっとあたしのおでこにキスをした。

「家庭教師代って事で♪」


…やっぱり、この3兄弟は似てると思います。