たんぽぽ


『でられた……?』



本当に、だめもとで手を翳しただけなのに、
あたしの体は本当に一瞬で
学校の外にでてしまった。



あたしは半ばびっくりしてしばらくじっと
その場に座り込んでいた。


そして、はっと我に返った。


『美祐!!』


あたしは走り出していた。



美祐の家なら、何度か遊びに行ったことがあるから
知っている。


家に、入るんだろうか。



でも、あたしは行って何をするつもりなの?


気付いてもらえないのに、
何をするっていうの?



本当に考えもしないで行動ばかりで、
あたしってバカだなってつくづく思う。


だけど、走らずにはいられなかった。



せっかく学校の外に出られたんだ。


もしかしたら、これが最初で最後なのかも
しれない。


そう考えたら、これは美祐を助けるために

神様がくれたチャンスなのかもしれないって、
そう思えたの。


『待ってて、美祐・・・』




美祐の家は赤い屋根の家で、
外には飼い犬の柴犬が眠そうに小屋の中で座ってた。



あたしはそっと、扉の前に立つ。


ふっと、扉をすり抜けるあたし。


美祐の部屋は2階の突き当たり。



あたしは入るのをためらって、
扉の前で深呼吸した。



そして、目を閉じて考えた。


落ち着いて。
もし無理だったら、これが最後。



2度のチャンスなんて、これっぽっちも
期待してなんかないんだから。




真っ直ぐと扉を見据えて、
あたしは体を前に乗り出した。