「あ!茜!こっちこっち!!」
奈々が笑顔で手を振る。
茜くんがそれを見つけて屋上まで登ってきた。
あたしはそれにそっとついていく。
「悪ぃ。待たせた?」
「だーい丈夫!!ほら、座った座った!」
奈々が席を勧めると、茜くんはじっと何かを考えてから座った。
茜くんと奈々たちは、仲がいい。
いつからだろう。
茜くんが奈々と一緒にいるようになったのは・・。
「なぁ。寺嶋。ちょっとさ・・・。話したいことが・・」
奈々の作った笑顔が一瞬のうちに崩れたのは、
あたしにはすぐに分ったけど、茜くんは気付いてなかった。
「もしかして・・・。茜も“真奈美”のこと・・?」
「え・・・」
茜くんが困ったように奈々を見た。
奈々・・。怖い顔になってるよ?