授業中、あたしはずっと学校の外をにらんでた。


なんとかして出られないのかな・・・?
なーんて・・・。



『美祐・・・』


あたしがそっと、校門前に近付くと、
強い風が吹いた。


『あ・・・』


やっぱり・・。
最近のあたしはおかしい。


見間違いかと思ってたけど、
最近はしょっちゅう繰り返される。


『透けてる・・・?』



たまーに。
本当にたまにだけど、手を見つめると

ふわふわしてて、地面が透けて見えたりするの。



これってやっぱり・・・。



『もう、時間がないってこと・・・?』



そうだよ。あたし、死んでるんだから。

いつまでもこの世にいること自体、
おかしいことなんだから・・・。


だったら尚更、美祐をなんとかしなくちゃ。


『出せー!!バカやろー!!』



ほんの冗談で叫んだ。
そして手を前に突き出した。


その時、



『うわっ!?』





あたしの手は、そのまま校門を突き抜けて、



体が地面に倒れ込んでいた。