たんぽぽ

そこは意外な場所だった。



「ここ……って」


宮原くんが呆然と立ち尽くした。

勿論、あたしも同じだった。



「中埜が、ここにしてあげようって、
 小さくだけど、そう言ったんだ…」



美祐が……?



そこはあたしの見慣れた場所。



宮原くんも見慣れた場所。



だたしと、宮原くんの思い出の場所。



あたしたちが始めて、“出会った”場所。



『なんで……美祐は…』


「中埜は俺よりも責任を感じてた。
 今は、もう耐え切れなくて学校もあんまり来てないんだ」


そんな…。美祐がそんなこと
感じることないのに……。



「中埜が、“まなは誰よりもピアノが好きだった。
 そんなまなから大事なものを奪ってしまったんだ。
 だから、せめて大好きなピアノのそばで…”って」



美祐は優しい子だから。


だから、美祐が茜くんにそっと言っている姿が
目に見える。


だからこそ、胸が苦しい。


「この地面の下に、埋まってる…」


「五十嵐、茜と一緒に掘り起こすけど…
 本当に大丈夫か?」


『大丈夫…。お願いするね……』



ねぇ、美祐。
あたしは最初から、美祐を恨む気なんてなかったよ?



悪いのは奈々だよね?


だけど、茜くんも、美祐も
心のそこから優しいから、


だから、奈々を悪くいう事も
ためらってしまうんだよね?



わかるよ。わかる。


だから、苦しいのに、辛いのに、
勇気を出して提案してくれてありがとう。




『あ……』