たんぽぽ

何度叫んでも届かない。



改めてまた感じる。



あぁ、死んじゃったんだって。



あたしが、何も伝えられないから、
宮原くんの悪口を、止めさせることができないんだ。



このまま、宮原くんが悪く言われるのは嫌だ。


殴ってやりたかった。


だけど、あたしの手の平は、



茜くんの頬をすり抜けるだけ・・・。



『どぉして……?』



「五十嵐…落ち着け。俺は大丈夫だって」



「涼介…お前、誰と喋ってんだ?」



茜くんが不審に思って訊ねる。



宮原くんは真っ直ぐに茜くんを見た。



「五十嵐がここにいる」




『!?待って!!宮原くん!!』



そんな……。



死んだはずのあたしが“いる”なんて言ったら
宮原くんはますます……。




「は?お前、何言ってんだ?頭大丈夫?」



「嘘じゃない。初めは俺も冗談だろって思った。
 そんな漫画みたいなこと、ありえねぇって思った」



『宮原くん…ダメだよ…そんなことしたらまた……』



「だけど、これだけは信じろ。五十嵐は今ここに立ってる。
 そんで…お前を見てるよ」


茜くんは宮原くんが指差したほうに目を泳がせた。