「奈々・・。あたしたち・・・。
 まなに酷い事しちゃったんだよ?
 当然なんていいかたしたら・・・」

美祐は心配したように弱々しくそういった。


やっぱり。


やっぱり美祐は許してあげようかな。


こんなに罪悪感でいっぱいなんて・・。


こっちが悲しくなってくるよ。


「うるさいわね。いいでしょ別に。
 真奈美は死んだんだから、真実を知ってるのは、
 あんたとあたしと―」

ああ。忘れてた。


もう1人、いるんだっけ。


本当のことを知ってる人が・・。


奈々が少し動揺したようにいうと、


声を潜めて美祐を見た。





『―茜くん』


一番忘れたい人で、


一番、忘れられない人。



戸川茜。




あたしの、好きだった人―。