そこに、それは無かった。





黄色い小さな花が無い。





それは突然のことで、びっくりして立ち尽くした。





どうしたのかな?





やっぱり、もう止めたのかな?あたしなんかに手を合わせること…。





『どこにいるんだろう…』





気になった。瓶すら無くなっていることが、何故かすごく不安になる。




宮原くん…。
随分変わってた。


喧嘩は止めたって、そういったあの時の宮原くんの顔には傷なんて無かったのに、
今、彼の顔には痛々しい痣がいくつも目に見えた。



どれくらい、手を出して、そしてどれくらい殴られたんだろう…。




『宮原くん…』





あたしは宮原くんの教室に行ってみた。


宮原くんのクラスはみんな真面目で、彼がどんな立場なのかすぐに分かった。




きっと、冷たい視線を投げかけられて、 追いやられているんじゃないかな…。



違うのに。
宮原くんは本当はずっと優しくて、かっこいい男の子なのに…。




『いるわけないよね…』





一つだけ空いた席を見つめてため息をついた。