たんぽぽ

信じられなかった。



ようやく、全てが分かった。




奈々は…。




奈々はあたしを恨んで当然だ。





例え、あたしが宮原くんを知らなかっただけだとしても




あたしは奈々のプライドも恋心も



全部踏みにじってしまっていたんだね。


奈々があの日、最下位という形で終わってしまって、




せめて、せめて恋だけはと思ったのに



宮原くんと話すあたしを見つけてしまったんだね。




『あたしのせいだ…』




ぽつりとそう呟いた。あたし、奈々に謝らないと…。




『あっ…。…無理じゃん』




無理だよ…。
だってあたし、
死んでるんだもん。



「俺さ…」




ふと、宮原くんが呟いた。




「喧嘩した時、あんたを見た気がしたんだ」




『え…?』




見たの?

嘘だよ。
あたし、見えるわけないじゃん。



「一瞬だけどさ、俺の目の前にいたんだ」




宮原くんは目の前のタンポポを見つめて続けた。




「はぁ。何やってんかなぁ…。俺」





ため息をついた宮原くんは、すっと立ち上がった。




「…また明日」




低い声があたしの耳の奥に綺麗に響いた。




-また明日-




毎日。



毎日来てくれてるの?




こんなあたしのために?



先生に怒られても?



毎日タンポポを見つけて来てくれるの?



『…あっ』












喉の奥に押し込めた“ありがとう”を、あたしは心の中で呟いた。